みうらじゅん氏にエロの醍醐味を聞く
とはいえ若い男性からも熱烈に支持されている。
「威厳がないからでしょうね。NON威厳なんですよ。年とったら出てくるもんだと思ってたけど、ない人にはないんだよね。だって56歳で人生エロエロはないでしょ(笑い)。自分の名前がつけられるとしたら、カウパー腺液とバルトリン腺液、どっちがいいかを真剣に考えたりしていますからね」
従来のエロ話ではないところが狙いでもある。
「興奮させたり勃起させる話じゃないから。どっちかといえば劣情を催させるネタですよね。僕自身、変態になりきれないコンプレックスがずっとあって。変態というと語弊があるけれど、人と違うことをできるかどうか。SとMの間にはN、つまりノーマルがあるんです。僕は根がノーマルだから、葛藤と劣情が生じる。それこそ強烈なSでスカトロくらいこなしていれば、強気になれたんでしょうけど。風俗も苦手で全然ダメ。この年でもまだ親に読まれたら恥ずかしいと思っちゃう。僕のエロには“恥ずかしさ”と“後ろメタファー(後ろめたさをこう呼ぶ)”が満載。妄想と思想でエロを考察しているだけなんです」