常時15匹以上、生涯に500匹以上の猫と暮らした愛猫家の文豪がつづった猫にまつわるエッセーや小説、童話などを編んだ作品集。
自分が死の床についている姿を夢想し、そのときに猫がどうふるまうかを考えながら、来世というものがあるのならば「そこにも此の地球のように猫がいてくれなくては困る」と猫を愛する理由を語る「黙っている猫」をはじめ、インドシナから船と汽車を乗り継ぎやってきたシャム猫を仕事を休んで出迎えた日を描く「新しい家族」、去勢手術のために預けた病院を脱走した猫のその後をつづった「白ねこ」など。猫への愛に満ちた60余編を収録。
(徳間書店 680円)