「実録・自衛隊パイロットたちが目撃したUFO」佐藤守著
UFOといえば、オカルトやSFの類いとしか感じていない人も多いことだろう。しかしその目撃情報が、百戦錬磨の航空自衛隊員によるものだとしたら……。
佐藤守著「実録・自衛隊パイロットたちが目撃したUFO」は、航空自衛隊の最高官位である空将を務めた元パイロットによるルポ。多くの航空自衛隊員が体験している、UFOとの遭遇の詳細が明らかにされている。
例えば1975年、宮崎県の新田原基地に所属するF-104パイロットが、ホット・スクランブル(実任務)を終了して基地に帰還中の午後7時30分ごろ、鹿児島方面から四国方面に飛行する光を目撃したという。しかし、それは当時の全日空が導入していたトライスター機の航法灯に似た白色の光だったため、最初はさほど気にしていなかった。
ところが、いつまで経っても光が消えない。それどころか、高度3万フィートまで急上昇しても同じようについてきた。そして、地上のレーダーサイトに「ストレンジャー(正体不明機)がいる」と報告しても、「レーダーにはなにも映っていない」との応答。本来レーダーは、渡り鳥でも気象観測用のバルーンでも何でも捉える性能を持つ。しかし、レーダーに映らない飛行物体を目視した体験を持つパイロットは、数多くいる。