戦争に敗れた日本は、連合国側から一切の航空関係の活動を禁止されたが、昭和26(1951)年、ようやく民間航空会社の設立が認められる。その日本航空創業に関わった人々の姿を追ったノンフィクション。
敗戦時、逓信省航空局次長だった松尾静磨は、日本の空の元締めである航空局の解体を決定したGHQと交渉し、米軍機のための設備の維持管理にあたる航空保安部を設置。
将来の民間航空再開に備え、技術者を保安部に確保する。
後に社長として日本航空の基礎を築く松尾の奮闘をはじめ、スチュワーデス1期生ら往時の社員の証言を交えながら、開業半年後の墜落事故を乗り越え、国際便に就航するまでを描く。(白水社 1900円+税)