「経済特区自由村」黒野伸一著
大手外食産業の下請けとして養鶏場を営む明男は、親会社の営業マンに我慢ができなくなり突き飛ばしてしまう。動かなくなった営業マンを見て怖くなった明男は、車のガソリンが尽きるまで逃げた末に山をさまよい、老婆に助けられる。救ってくれたのは、人里離れた神山田村に暮らす、こなただった。
一方、女格闘家の洋子は、生活費稼ぎで始めたインストラクターの生徒・香織に頼まれ神山田村に潜入する。村の空き家には、自給自足を唱える民人という男に賛同する都会からの移住者が集まり暮らしていた。洋子は、村にいるはずの香織の娘・雅を捜す。「限界集落株式会社」の著者がエコをテーマに描くエンタメ長編。(徳間書店 680円+税)