「去年の夏、ぼくが学んだこと」片岡義男著
雑誌にインタビュー記事などを書いている〈僕〉は、仕事先の編集者に見合いをもちかけられる。編集部で仕事をしている三村恭子が田舎に帰るのを引き留めたいというのだ。互いに結婚する気はないが、恭子は〈僕〉の自宅の別棟に住むことになる。
〈僕〉は飲み屋のママである美和子とも焼きぎんなんを口移しで食べさせてもらうような付き合いをしているが、その美和子が店を人に任せるという。父が京都の大学で教えることになったため、〈僕〉が別棟に戻り恭子と美和子が母屋で共同生活することに。そんな中、〈僕〉に小説を書いてみないかという話が……。
60年代の青春を描いた書き下ろし長編小説。
(東京書籍 1300円+税)