「潮の音、空の青、海の詩」熊谷達也著

公開日: 更新日:

 仙台で予備校の講師をしていた川島聡太は、実家のある仙河海市が津波に襲われたことを知った。両親は行方不明で死体も見つからなかった。

 2060年、仙河海市は巨大な防潮堤で海と隔てられていた。防潮堤の階段の上り口は鉄のゲートでふさがれて許可を受けた者しか上れず、9歳の呼人は3年生になるまで海を見たことがなかった。ある日、呼人は防潮堤の上で絵を描いている男と出会う。

 それは年老いた聡太だった。聡太は呼人を自宅に連れていって、パソコンでかつての遠洋マグロ船の出航風景を見せた。彼は呼人にある夢を託そうとしていたのだ。

 3部構成で紡ぎだす、東日本大震災後の物語。(NHK出版 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末