「御用船帰還せず」相場英雄著

公開日: 更新日:

 西郷隆盛は園部藩士が江戸城御金蔵の分銅金の隠し場所を知る小栗上野介を処刑してしまったことを知って激怒した。若い藩士に命じて、歴代の勘定奉行の業績を調べさせたら、〈荻原重秀〉の名の上に斜線が引かれていた。

 荻原重秀は徳川綱吉の信任を受け、異例の早さで〈勘定奉行〉に出世した人物だった。綱吉に〈余とともに、存分に壊せ〉と命を受け、大ナタを振るって不正を行う者を処分した。

 だが、いずれ公儀の財政が息詰まることは目に見えていた。金銀山を管轄する佐渡奉行になったとき、荻原は金銀の改鋳という非常手段を取ることに……。

 幕府の財政の危機を救った勘定奉行の活躍を描く。(幻冬舎 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ

  2. 7

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  3. 8

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  4. 9

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  5. 10

    芳根京子も2クール連続主演だが…「波うららかに、めおと日和」高橋努も“岡部ママ”でビッグウエーブ到来!