今こそ知りたい大人のための日本の歴史本特集!
「図説 日本史通覧」黒田日出男監修
誰もが学生時代に一度は学んだはずの「日本の歴史」。ところが、覚えているのはゴロ合わせの年代くらいで、肝心の基礎知識すら怪しくて冷や汗をかいた経験はないだろうか? そこで今回は、もっと深く本質に迫った大人のための歴史本を5冊ご紹介!
もともと高校生向け日本史の資料集として作られたというこの本。学生向けのお勉強本だと思って侮るなかれ。ページをめくれば、次から次へと繰り広げられるカラフルな図版に目を奪われる。単に年代の出来事を追う通覧ではなく、時代の流れがわかる時間軸に帝国書院お得意の地理的な視点も加わっている。よりリアルにより複眼的に歴史を把握できることもあって、いま大人世代にも大売れしているのだ。
たとえば、巻頭特集(2)の「幕末動乱の舞台 京都」では、京都の地図上に幕府関連の建物や事件が起きた場所がマッピングされており、いつどこで何が起きたのかを町全体を俯瞰しながら把握することができる。
鴨川の三条大橋のそばで新選組の池田屋事件が勃発したこと、二本松の薩摩藩邸で薩長同盟が結ばれたこと、さらにそこからほど近い場所で行われた小御所会議などなど、町並みをたどることで幕末時代の京都の空気感まで伝わってきそうだ。