幸せとは何なのか? 多彩な角度から説く“幸福本”特集
「人間が幸福になれない日本の会社」佐高信著
「人を奴隷にする人間は、主人ができれば、自分も容易に奴隷になる人間だ」という魯迅の言葉がピッタリの経営者たちが実名で登場。NHK会長の籾井勝人は、私的なゴルフで使ったハイヤー代を注意されると「厳重注意を受けるいわれはない」と怒り、過ちを認めない。彼に限らず、従業員は顎で使って当然。貢献していた社員も不都合が起きれば切る。うまくいけば上司の手柄、失敗したら部下の責任――そんな働く人を幸福にしない企業体質には恐怖を感じる。
終章の「まともな経営者」がかすかな希望か。就活学生の必読書。(平凡社 860円+税)