「悪いヤツほど出世する」ジェフリー・フェファー著、村井章子訳

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「信頼を得よ」「頼れる人であれ」「真実を語れ」「控えめであれ」など、世間にはさまざまなリーダー論があふれている。しかし社会を見れば、部下を失望させ、組織を破綻に追い込む権力者の輩出には事欠かない。なぜこんなことが起こるのか。

 前作「『権力』を握る人の法則」で、出世のために人が何をするかを赤裸々に描いた著者は、出世に必要とされる適性や行動と、人々が期待するリーダー像が異なると指摘する。リーダー教育において、いくら力強い理想のリーダー像を強調して人々の気分を高揚させたところで理想的なリーダーが生まれるわけでもないため、「リーダーはこうあるべきだ」という規範と「リーダーはこうである」という事実の混同を避けなければならない。

 そのためにも、数少ない尊敬すべき幻のリーダー像を追うのではなく、まずは現実に多くいるリーダーの発言と行動の不一致、リーダーの行動と結果の不一致を直視するべきだと主張している。(日本経済新聞出版社 1800円+税)

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