「閻魔裁き〈二〉雨乞いの美女が消えた」風野真知雄著
寺社方の亀山と鶴田は、寺社奉行の脇坂淡路守に命じられ、本所の榎稲荷神社に足を運ぶ。境内で行われる雨乞いの儀式を検分するためだ。雨美人と呼ばれる巫女が祈ると必ず雨が降ると評判で、礼金は10両と高額だが、周辺の村では引っ張りだこだという。雨乞いの最中、雨美人がこつぜんと姿を消す。亀山らは、雨美人が井戸に落ちたと装ってその場から逃げ出したことに気づく。調べると、周辺の百姓も神社の神主も雨美人に雨乞いを頼んでいなかった。亀山らは、雨美人が雨乞いではなく日照りを祈願する儀式を行っていたのではないかと疑う。(「雨乞いの美女が消えた」)
容赦なく悪を裁き「脇坂閻魔」と恐れられる寺社奉行とその手下が活躍する人気シリーズ第2弾。(角川春樹事務所 540円+税)