最近よく聞くIoTってなんだ?

公開日: 更新日:

「IoTとは何か」坂村健著

 80年代からいち早くオープンなコンピューター環境の「トロン」を提唱。その後、暮らしのどこにでもコンピューターが介在する「ユビキタス」社会の到来を説いたことで知られる著者が教えるIoTのすべて。

 まず「IoT」とは「インターネット・オブ・シングス」の略。つまり形のない情報だけでなく、具体物(シング)がすべてネットにつながった状態で、たとえば誰もがスマホを持ち歩く時代は誰もがネットワークに常時接続し、個人データまでネットで伝達しているのと同じなのだ。インターネット草創期の話から始まるのが著者らしいが、面白いのはやはり現代について。ドイツで提唱される「インダストリー4・0」は「4度目の産業革命」を意味し、部品製造から組み立て販売まですべてがネットワークでつながれ、生産調整が最適化されるというもの。アメリカの「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」構想も産業機器にセンサーを仕込み、ネットワーク化するもの。

 しかし著者はこれだけなら既にトヨタのカンバン方式などで実践されているという。本当に重要なのは従来のような「閉じた」形ではなく「開いた」IoT。2020年のオリンピックへの提言など著者の構想はとどまるところがなさそうだ。(KADOKAWA 800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走