「その後の慶喜大正まで生きた将軍」家近良樹著

公開日: 更新日:

 最後の将軍・徳川慶喜の長い余生にスポットを当てた歴史読み物。

 慶応3(1867)年、大政奉還を高く評価された慶喜だが、鳥羽伏見の戦いで一転して立場は朝敵に。32歳で謹慎生活に入り、大正2年に77歳で没するまでその余生は45年に及んだ。暇を持て余した慶喜は、毎日のように銃猟や投網に出かけ、謡や能、小鼓、油絵、囲碁将棋、ビリヤード、刺繍、そして写真にといそしんだ。最晩年には自動車まで乗り回していたらしい。2人の側室との間に21人もの子をなした。その家庭人としての慶喜の素顔を紹介。

 一方で明治30年代に入り、復権を果たすまで、常に朝敵の立場を意識し、元幕臣らによる卑怯者との烙印に耐え続けたその胸の内に迫る。(筑摩書房 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭