「カブールの園」宮内悠介著

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 日系3世のプログラマーのレイは37歳。小学生のころ、いじめを受け、四つん這いで豚の鳴き真似をさせられた。レイが受けている、バーチャルリアリティー・エレメンタリーによるトラウマの治療を、恋人のジョンは〈カブールの園〉と呼んでいた。

 ある日、突然、会社から1週間の休暇を命じられたレイに、ジョンは〈カブールの園〉を出てみるのも悪くないと言う。独りで車で出かけたレイが向かったのは、かつて母方の祖父母が入れられた日系人の収容所跡だった。そこでレイは予期せぬものに出合う。

 SF作家の純文学作品。3代にわたる母娘の確執を描いた表題作ほか1編を所収。(文藝春秋 1350円+税)

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