「決戦!新選組」葉室麟他著
新選組三番隊長・斎藤一は、甲州で惨敗した後、会津の松平容保の下で薩長との戦いを続けていた。容保の言葉から、自分を突き動かしているのは忠義でも意地でもなく、薩長に対する怒りだと確信したからだ。斎藤は容保に「新選組は、会津を決して見捨てません」と答える。だが、会津を見限った土方歳三は、徳川幕府の艦隊を率いて蝦夷地に入り、そこを徳川の領地として新政府と戦うという榎本武揚と行動を共にする。戦意を喪失した会津は敗走を続け、斎藤は隊員に土方の後を追うように命じるが、自らは会津にとどまる。(天野純希著「死にぞこないの剣」)
6人の作家が、それぞれの士道に殉じた新選組の隊士を描いた本紙連載小説を単行本化。(講談社 1600円+税)