「誰も知らない憲法9条」潮匡人著
憲法改正が政治課題に浮上する中、元自衛官が護憲派と改憲派、双方に問いかける憲法9条論。
かつて学校で読んだ憲法9条は偽物だと指摘。「六法」などで世に出回る条文表記を検証しながら、憲法が「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つを基本原理とする」という定説に疑問を投げかける。正真正銘の「日本国憲法」を改めて見直し、その成り立ちをこれまで論じてこられなかった視点から解説する。
憲法9条は解釈を必要とし、解釈次第でそれが意味する内容も変わってしまう。ゆえに意味内容を確定することなく護憲と改憲で激論しても仕方がないと、疑問を提起。憲法論議を理解するための入門書。
(新潮社 780円+税)