「エロい昔ばなし研究」下川耿史著
名作文学に描かれた日本人の性生活、性風俗を読み解きながら、日本人の性文化の歴史をたどる面白文学エッセー。
古事記では、大国主命など、さまざまな名前で呼ばれる大黒様。因幡の白うさぎを助けたときは、実は日本初の夜ばいに出かける途中だったという。
その他、「私も人妻と交わりたいから、他の人も自分の妻と交わって欲しい」という期待を歌うなど、「万葉集」の歌に見られるさまざまな愛と性の形、3000人以上の女性と関係した在原業平の一代記「伊勢物語」、「源氏物語」に描かれる売春宿など。奈良時代から昭和まで各時代の作品を一望。各作品を手掛かりに、専門家も避けて通り、学校でも決して教えてくれない日本人の性の本質に迫る。
(KKベストセラーズ 815円+税)