「私がホレた旨し店」団田芳子著
大阪の料理人たちに“ノンベの姉御”と親しまれるフードライターの著者が、20余年の取材の中でほれ込んだ50軒の料理人や店の魅力を紹介する食エッセー。
上本町にある「割烹 とんぼ」は、江戸末期創業の老舗。といっても堅苦しさはなく、畳にゴロンと横になりたくなるような気楽さが魅力のひとつだ。
5代目の店主がつくる「鯛のあら炊き」は上品な甘さで絶品、名物小鉢の「タコの桜煮」は昔ながらの大阪の味、と太鼓判を押す。
ほかにも、質のいい素材をシンプルに出すアテ(酒の肴)が酒好きたちを喜ばせる「酒や肴 よしむら」(南森町)、たっぷりの干し貝柱と豚の骨で取ったダシでつくったお粥のうまさに驚いたという「清粥小菜 明」(東三国)など。
大阪観光の際にはぜひ持参したい。
(西日本出版社 1500円+税)