「わかっちゃいるけど、ギャンブル!」ちくま文庫編集部編

公開日: 更新日:

 ギャンブルにまつわる名エッセーを集めたアンソロジー。

 作家の阿刀田高氏は、よく講演会で「阿佐田哲也」の名で麻雀小説を執筆していた色川武大氏と間違われたと、亡くなったばかりの氏を述懐。一緒に文学賞の選考委員を務めていたとき、最後の2作まで絞り込まれた候補作を評価する際に色川氏は「こっちの方がこの先、化けるような気がする」と穴狙いの傾向があったと思い出をつづる。その他、麻雀、競馬、競輪、何をやってもギャンブル運に恵まれた学生時代の友人Tについて記す宗教人類学者の植島啓司氏や、幼いころ、父に連れられていった競馬場で人生の悲哀を初めて知ったという澁澤龍彦氏など。ギャンブルが織りなす悲喜こもごもの人間模様を描く。

(筑摩書房 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    六代目山口組・高山若頭の相談役人事の裏側を読む

  2. 2

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  3. 3

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  1. 6

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード

  2. 7

    “路チュー報道”STARTO福田淳社長がフジ新取締役候補というブラックジョーク…堂本光一も痛烈批判

  3. 8

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 10

    ダウンタウン浜田雅功“復帰胎動”でまたも「別人疑惑」噴出か…中居正広氏「病後復帰」では陰謀論がワンサカ