「絶望図書館」頭木弘樹編

公開日: 更新日:

 絶望して、当分、立ち直れそうにない時、命綱となってくれるような物語を編んだ作品集。

 土曜日、小学生のトシオが電話に出ると、父親が人と会ったので帰宅が遅くなると告げる。しかし、30分前に父親は帰宅していた。すると、玄関を開けてまた一人、父親が帰ってくる。朝帰りした父親を含め3人は自分が本当の父親だとケンカを始める。学校に行くと、同級生の家でも父親が増え、中には10人になってしまった家があるという……。

「人に受け入れてもらえない絶望」におすすめのこの児童書「おとうさんがいっぱい」(三田村信行著)をはじめ、「ずっと誰も助けてくれないという絶望」に効く「漁師と魔神との物語」(千夜一夜物語から)など12作を収録。

 (筑摩書房 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭