「日本史の内幕」磯田道史著
古文書を解読しながら、歴史の真実に迫る歴史読み物。
神田の古書店で購入した戊辰戦争の風聞を記録した冊子をひもといてみると、勘定奉行・小栗上野介の幕府滅亡時の動静を記した新史料であることが分かった。そこには徳川埋蔵金に関する新事実も記されていたという。
他にも、明治天皇の皇后が京都を出て「新首都」東京に定住するまでの詳細を記録した「皇后宮御所行啓日誌」や、浜松城の前身である引間城の城主の娘が垣間見た無名時代の豊臣秀吉の若き日の姿が書かれた「太閤素生記」、大坂夏の陣で打ち取られた真田信繁の生首と対面した家康が語った言葉が書かれた徳川譜代大名井伊家の記録「花筵記」など。
新発見の古文書から日本史の謎を読み解く。(中央公論新社 840円+税)