「ニュースの深層が見えてくるサバイバル世界史」茂木誠著
人気予備校講師が複雑な世界情勢を解説する国際関係テキスト。
著者は、国家は争う宿命にあるという。なぜなら人間の行動原理は、サルの時代から変わりなく「資源」と住みやすい「土地」、そして「通り道」の奪い合いという縄張り争いに帰結するからだ。例えばロシアが農業に適した土地と、冬でも凍らない海という「通り道」を求めて南下し続け、イギリスやアメリカが「資源」を得るために中東に介入し続けるように。
争いに宗教やイデオロギーの対立という「看板」をつけてはいるが、その根底にはこの行動原理がある。中国が海洋進出に乗り出した理由、北朝鮮のミサイル挑発、トランプ大統領誕生の真相、EU分裂の危機など、世界の今とこれからを読み解く。(青春出版社 900円+税)