「デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義」福田直子著
ネット上から集められるビッグデータは、今や経済を稼働させる「21世紀の石油」とまで言われている。ビッグデータを利用して個人の消費生活や政治思想、投票活動にまで影響を及ぼしているそんなデジタルテクノロジーの実際を解説したテキスト。
ネット利用者は、閲覧や検索の履歴など本人が知らない間に多くのデータで分析されている。航空会社では、こうしたデータを基に独自開発したAIで、ネット利用の消費者ごとに提示する価格が異なる「価格個別化」が行われているという。また、前回の大統領選挙でのトランプ陣営のビッグデータ利用の実態も詳述し、デジタル社会が民主主義に及ぼす影響を警告する。
(集英社 740円+税)