「血の雫」相場英雄著
中野坂上交差点近くで25歳のモデルが殺された。背中など5カ所を刺されていた。次いで、高円寺駅近くの住宅街でタクシー運転手の刺殺体が発見される。当初は無関係と思われたが、やがて2つの事件の凶器が一致することが判明した。
捜査に当たるのは元・特殊犯罪捜査係の田伏と、生活安全部総務課にいた長峰の2人。かつてシステム関係の仕事をしていた長峰は、殺害されたモデルのインスタグラムを確認していて、彼女が精神的に病み始めていたのではないかと指摘する。その後、中央新報の社会部に「ひまわり」というハンドルネームで犯人からのメールが送られてきた。
過激な中傷が繰り返されるネット社会を背景にした犯罪を描く社会派ミステリー。
(新潮社 1700円+税)