「キンモクセイ」今野敏著
法務省刑事局企画調査室のキャリア官僚、神谷道雄が銃殺された。被疑者がアメリカ人らしいということで、外事1課と外事3課も動き出す。警察庁警備局の隼瀬順平は専任チームをつくるように命じられるが、突然、その件は終了だと言い渡され、外事1課、3課も手を引いたことを知らされる。
ひそかに調査を続けていた先輩の水木勇吾は、刑事企画課刑事指導室の岸本から神谷が殺される前日にキンモクセイという言葉を残したという話を聞いた。神谷はこの言葉のせいで殺されたのではないか。やがて、岸本の首吊り死体が発見される。これでキンモクセイという言葉を知っている6人のうち2人が死んだ。
日米合同委員会に関わる犯罪に挑む警察小説。
(朝日新聞出版 1600円+税)