「習近平の大問題」丹羽宇一郎著

公開日: 更新日:

 中国がアジアで覇権を求めているのではないかという不安がある。だが、フランスが植民地の独立運動を抑えるために歳出の4割を投じ財政を悪化させた歴史を見ても分かるように、領土拡大は採算が合わない。覇権争いの歴史の中で生きてきた欧米人には、中国の行動は覇権を求めているように見えるが、歴史的にはアメリカと中国は対立していた時期より協調関係にあった時期の方が長い。

 60年代、ソ連と対立していた中国はアメリカにとって「敵の敵は味方」だったのだ。元来、中国は巨大な市場であり、アメリカの対中戦略はそこに収斂する。日本は、日本、中国、アメリカの間で「三方よし」を貫くべきである。商社マンで、中国大使を務めた著者が、中国の今とこれからを解き明かす。 (東洋経済新報社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出