「稼業」向谷匡史著

公開日: 更新日:

 稲川会碑文谷一家熊谷組長にして碑文谷一家の執行部を務めていた熊谷正敏は、2001年、フランス人記者と知り合ったことを機に、度々フランスに出向くようになる。

 あるとき、当時のシラク大統領主催の展示会で映画「TOKYO EYES」などを撮ったリモザン監督と知り合い、意気投合。やがて監督から「ヤクザ映画の現実を映画に撮りたい」と相談される。

「事実をありのままに撮る」ことを条件に出演を承諾した熊谷だが、撮影がスタートすると同時に、稲川裕紘3代目の急逝、次期会長争いに巻き込まれ、降格の憂き目に遭う――。

 撮影から1年半後、ヤクザの人とのつながりやしきたりを通して任侠道という日本文化を描いた「Young Yakuza」はカンヌ映画祭ドキュメンタリー部門で上映され、熊谷はレッドカーペットを踏む。

 生い立ちから任侠の世界、熊谷自身の美学や生き方にまで迫った異質のノンフィクション。

(青志社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭