「奇跡の改革」江上剛著
大森が日本写真フイルムの社長に就任した2000年当時、国内外で絶対的シェアを誇るエクセレントカンパニーだった。しかし、5年後、デジタル化の波にのまれ、世界のフィルム需要は半減。大胆な構造改革を決断した大森は、2006年の年頭、創業以来初の大規模なリストラを発表する。記者会見後、同社の研究所所長の戸越は自らをリストラするよう大森に直談判する。他社からの引き抜きを警戒した大森だが、「事業には寿命があるが、技術には寿命がない」を信条にする戸越は、一研究者に戻り、会社の新たな収入源となる商品の開発に挑む決意を明らかにする。
未知の化粧品開発でトップブランドを生み出し、再生した富士フイルムの軌跡を描くノンフィクション企業小説。
(PHP研究所 820円+税)