「蕎麦、食べていけ!」江上剛著
両親が離婚して、さびれた温泉街で蕎麦屋を営む祖父母と暮らすことになった、高校生の竹澤春海。滝を見ていたら赤城勇太に声をかけられた。なぜか勇太は春海のことを知っている。祖父にたずねて、母が若い頃、勇太の父と結婚するはずだったのに、結婚式の当日、逃げ出して春海の父の元に走ったということを知った。それ以来、竹澤家は村八分のようになっている。
一方、地元の信用金庫に勤める勇太は、町おこしのために伝説を基にした祭りを提案した。その目玉として女子高生に蕎麦打ちをさせることに。ところが、勇太の兄が勤める東京のメガバンクは、温泉街のリゾート化をもくろんでいた。
元銀行員の視点を生かした町おこしビジネス物語。
(光文社 1500円+税)