「種の起源」チョン・ユジョン著 カン・バンファ訳
ロースクールを目指す学生のユジンは早朝、外泊した義兄ヘジンからの電話で目を覚ます。母親が電話に出ないが、何かあったのかと尋ねられる。渋々、起きたユジンは、自分が血だらけなことに気づく。
前夜、ユジンは謝恩会に出席して門限の9時を過ぎて帰宅。16年前に兄と父を失ってから、過保護な母親の出迎えを受けた。しかし、常用する薬を絶って夜中に発作が出たので家を抜け出したユジンには、それ以降の記憶がない。リビングに行くと、母親は首を切られ死んでいた。
潔白を証明するため、通報する前に賊が侵入した痕跡を見つけようと家の中を見回るユジンだが、自分が残した血の足跡以外、見つからない。
韓国の人気作家による長編サイコミステリー。
(早川書房 1600円+税)