「笑え、シャイロック」中山七里著
帝都第一銀行の結城真悟は渉外部に異動になった。上司は「シャイロック山賀」と呼ばれている男。ある日、柏田という客の焦げ付いている500万円を回収に行くことに。出版社を辞めて引きこもりになり、パソコンで株の売り買いをしているデイトレーダーだ。柏田は、今は底値だが持ち株の値が上がったら利息も一括返済すると繰り返す。
帰社すると山賀は、柏田の自宅の登記簿を調べるという。500万円の債権で土地建物を担保にするのは明らかに過剰担保だ。だが仮差し押さえをしておけば、家を売却するときに売却先より優先的に帝都第一に返済金が回ってくる。(「わらしべ長者」)
伝説の取り立て屋の殺人をめぐる銀行ミステリー。
(KADOKAWA 1600円+税)