「ジャパンタウン」バリー・ランセット著 白石朗訳

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 サンフランシスコで古美術商と私立探偵を営むジム・ブローディは東京で生まれ、17歳まで日本で暮らしていた。父親は米国に戻ってサンフランシスコ市警に勤め、その後東京で探偵社を設立。ブローディは父の死後、その探偵社を引き継ぐ。 その経歴ゆえ、サンフランシスコ市警の日本関係のアドバイザーとなっていたブローディに、市警の友人から電話が入った。ショッピングモールのジャパンタウンで日本人一家5人が惨殺されたという。現場に行くと、謎の漢字が記された血まみれの紙片が残されていた。何とその漢字は、4年前に妻の美恵子が亡くなった火災現場に残されていたものと同じだった!

 ブローディはその漢字の謎を追って日本に向かう。そこで待ち構えていたのは江戸時代から続く闇の組織だった。相棒と一緒にその本拠地へ潜入し、辛くも脱出に成功したが、今度は6歳の娘に魔の手が迫ってくる。娘を救うべく、ブローディは単身、巨大な闇組織に立ち向かっていく――。

 日本通のアメリカ人私立探偵というユニークな設定だが、米本国でも大絶賛の正統派ハードボイルドのシリーズ第1弾。続編が待たれる。

(ホーム社 3200円+税)

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