「神戸と洋食」江弘毅著
明治時代、開港に伴って入ってきた外国人に西洋料理を供したのが外国人御用達ホテルやレストランだが、そのひとつが、明治3年、居留地内にオープンしたオリエンタルホテルだった。経営者は鎖国時代から外交貿易をしていたオランダ人で、後にフランス人が引き継ぐ。世界中を旅したイギリスのノーベル賞作家、ラドヤード・キプリングは明治22年にオリエンタルホテルに宿泊し、ポテトサラダとマレンゴ風鶏料理を絶賛、給仕はビロードの上着を着せれば小柄なハムレットに見えるほどハンサムだとベタ褒めしている。
他に、外国航路の豪華客船のコックが開いた店など、神戸の洋食の歴史を語る。
(神戸新聞総合出版センター 1600円+税)