「食の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳

公開日: 更新日:

 19世紀末の米国人の食生活は欧州人と似たようなものだった。1860年ごろ、フィラデルフィアの牧師、シルベスター・グラハムは、アルコール、肉、香辛料、性行為は健康によくないと説き、市場に出回り始めていた化学肥料を使って栽培した穀物は食べてはいけないと主張した。

 1880年にはグラハムの弟子、ウィルバー・O・アトウォーターが食に「カロリー」という概念を持ち込んだ。この概念により、食の指標は味ではなく、カロリーという数字になった。

 医学博士ジョン・ハーベイ・ケロッグもグラハムの信奉者だった。彼はコーンフレークを開発したが、それは消化不良の治療と性欲を減退させるためだったという事実を知る者はほとんどいない。

 食をめぐる意外な歴史や文化を分析した一冊。

(プレジデント社 2700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走