「内澤旬子の 島へんろの記」内澤旬子著
小豆島に移住して3年後、著者はお遍路回りをしてみようと思い立つ。友人にお遍路回りについて尋ねられたのがきっかけだった。ちょうど「女子へんろ」の会があったので参加することに。
「おへんろ道案内図」には徒歩用の道と自動車用の道が記されていて、徒歩用の道は住宅と畑が並ぶ集落の中を通っている。遍路中は電源を切ってデジタルデトックスするといいと言われた。そこで、電源は入れるが道に迷った時だけ位置情報サービスをオンにすることにした。目的の場所を行き過ぎたりしながらやっと六十三番の蓮華庵に到着したが、何をするんだっけ? まず鐘をついて、金剛杖を置いて……。
2年がかりの迷走遍路旅の記録。
(光文社 1600円+税)