「図書館の外は嵐」穂村弘著

公開日: 更新日:

 ×月×日、レイ・ブラッドベリの短編「対象」を読んだ。1948年発表の、1997年を舞台にした作品で、前世紀半ばに作者が想像した世紀末世界である。2018年にこの作品を読んだ私は、「未来」がどうなったか知っている。作品に登場する「ロボット給仕機」「航星船」は2018年にはない。

 別の日に、1980年代に発表された佐藤史生の漫画「ワン・ゼロ」を読んだ。舞台は1998年から1999年。登場人物が「本物のイクラ食べるのってひさしぶりよ」と言う。まともな寿司屋でもコピー食品を使っていて、「現実」に近いが微妙にずれている。(「追い越された未来」)

 ほかに萩尾望都、原民喜ら広い分野を渉猟する歌人の読書日記。

(文藝春秋 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭