「一行でわかる名著」齋藤孝著
名著には「神が宿る核心の『一行』」があり、そこを押さえることで理解が楽になり、魂への響き方も違ってくると著者はいう。さらに読書で知性を得るコツは「このすばらしい一行を、誰かに教えてあげられる人物になりたい」と引用する部分を探しながら読むことだとも。名著への扉を開き、偉大なる知恵に触れることができるそんな「一行」を取り上げ、解説してくれる異色の読書ガイド。
兼好法師の「徒然草」では、「偽りても賢を学ばんを、賢といふべし」(たとえ本心でなくとも、賢人に学ぶ人が賢いと言うのです)を、シェークスピアの「マクベス」では「人の生涯は動きまわる影にすぎぬ」など。
名著61作品の核心の一行から始まる知と人間力向上の冒険に読者を導く。
(朝日新聞出版 810円+税)