「じょかい」井上宮著

公開日: 更新日:

 男はソファに座ってテレビを見ていた。息子は黒くて大きなマスクをしている。男は「あの子は風邪でもひいたのか?」と妻に問いかけて気づいた。自分たち夫婦に息子などいただろうか? 妻がこちらに顔を向けた。誰だ、この女は? 男は廊下に出てスマホで健次に電話したが、留守電サービスにつながっただけだった。

 健次は母に頼まれて、先々週から顔を見せない兄、雄貴の新居を訪ねた。雄貴の妻は健次の元恋人の知奈美だった。雄貴の家の玄関ドアから黒いマスクをした6歳くらいの男の子がのぞいている。「君はどこの子?」。そして出てきたのはむくんだように太った兄だった。

 知らぬ間に日常に入りこむ妖異を描くホラー小説。

(光文社 1650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  3. 3

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  4. 4

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 5

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  1. 6

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  2. 7

    フジテレビ「中居正広氏に巨額賠償請求」あるか? 「守秘義務解除拒否」でウソ露呈

  3. 8

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 9

    Kōki,『女神降臨』大苦戦も“演技”は好評! 静香ママの戦略ミスは「女優でデビューさせなかった」こと

  5. 10

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ