「咆哮」アンドレアス・フェーア著 酒寄進一訳
ドイツ南部ミースバッハ郡山中の湖で少女の遺体が見つかる。少女は、金色のドレスを着せられていた。捜査を指揮するヴァルナーが湖のほとりで見つけた受難者記念碑の十字架には、被害者の名前と殺害日が刻まれていた。被害者の16歳のピアは、裕福な家庭の娘だった。
仕事後、酒場に立ち寄ったヴァルナーは、隣り合わせた牧師から娘を山の遭難で失った男の話を聞く。祖父と暮らす自宅に帰宅したヴァルナーは、庭の梯子に気づく。祖父に聞くと夕方、アンテナの工事人が来たという。不審を抱いたヴァルナーが外に出ると、金色のドレスを着た少女の遺体が屋根から滑り落ちてくる。2人の被害者の口からは数字が書かれたブリキのバッジが見つかった。ドイツの人気作家による長編ミステリー。
(小学館 1155円)