2歳だったマチルダはりんご病で寝ていたが、叔父のロニーが見せてくれた影絵の犬が怪物のように見えて怖かった。ロニーはハリウッドで映画の仕事をしていて、時には自作のパラパラマンガで楽しませてくれた。ロニーは事故死するが、マチルダがその真相を知るのはずっと後になってからだった。
マチルダは名門大学に入学するが、勉強に身が入らず、ある日、「ハリウッド御用達、ヴェンゴス工房の助手募集」のチラシを見て行ってみた。そこは映画の特殊メークや造形を教える工房だった。マチルダは特殊造形師として働くが、やがて映画界をCG化の波が襲う。
映画に魅せられた2人の女性クリエーターの物語。
(文藝春秋 1870円)