「ナマケモノ教授のムダのてつがく」辻信一著

公開日: 更新日:

「ナマケモノ教授のムダのてつがく」辻信一著

 著者は中南米で森林保護とマングローブ植林活動に参加し、ナマケモノと深い因縁で結ばれている。

 ミツユビナマケモノは動きがスローなので、捕食者が多い熱帯雨林で生きていくのに向かないように見える。だが、動きが遅いのは筋肉が少ないためで、それはエネルギーを節約して葉っぱを食べて生き残るための進化の結果なのだ。高カロリー、高タンパクのエサをほかの動物と取り合うこともない。

 めったに動かないのは猛獣や猛禽類から身を守る知恵かもしれない。ミツユビナマケモノは7、8日に1回、木の根元に下りて糞をするが、それはその木に栄養分を返すという涙ぐましい行動なのだ。

 文化人類学者が「ムダ」の価値を問い直す。 (さくら舎 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    一部ファンが現実逃避? 中居正広“別人疑惑”再燃…「本人すでに死亡」と考える人々が現れる

  2. 2

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  3. 3

    フジテレビ社員たちの怒声と悲鳴…港浩一社長“自滅会見”で窮地、大手企業CM差し止め要求相次ぎ現場はパニック

  4. 4

    中居正広は松本人志の合コンに、2003年の時点で行っていた? 気になる千原ジュニアの証言

  5. 5

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  1. 6

    兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ

  2. 7

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 8

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  4. 9

    「北朝鮮みたい」…フジテレビの会見を伝える各局のニュースが“静止画”で視聴者ドン引き

  5. 10

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言