著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(96)乗るはずだった車両が過ぎていく

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 ──殺意を持った加害者に首を絞められ、いったんは仮死状態に、しかし、その後蘇生した。赤松さんのような例は非常にまれだと思います。

 強盗に襲われたのが二十代のとき、癌にかかったのが五十代、人生どこにどんな死の大口が開いて人を飲み込もうと待ち構えているかわからない。今でも、… 

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