(24)拓也の除籍謄本がまだ届かない
*
「……やっぱり最近、体調悪いんじゃない?」
靴べらを手にした拓也が、整った眉を寄せ、こちらの顔を覗き込むように身を屈めた。彩絵はドキリとして、そばの白い壁に指先を這わせる。
「そんなことないよ。どうして?」
「どうも顔色が冴えないような気がしてさ…
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