(5)櫛を髪に通し汚れを落とす
(二)
津島屋の内儀およねの紹介で、千加が日本橋南一丁目にある小間物問屋『日吉屋』に髪結いに向かったのは数日後のことだった。
前日に使いが来て、日吉屋の内儀は五十路も過ぎた高齢で、腕が痛んで髪を結うどころか、洗うのも難しくなった。女中に手伝わせて洗っているのだが、…
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