(40)助六が吉原をそぞろ歩けば

仕事を終えた蔦重、大きな算盤を弾いて帳簿をつけている。
パチパチ。珠は柘植、枠と梁が黒檀の高級品、耕書堂の開店祝いに叔父が贈ってくれた。
「立派過ぎるんじゃ……」
「江戸をひっくり返す本屋になった時に重宝するよ」
遠慮せず使いなさい。それに大は小を兼…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,281文字/全文1,422文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】