パニック障害発症で番組すべて降板 円広志を支えた妻の献身
<1999年9月>
「とんでとんで……まわってまわって」の「夢想花」のヒットで知られる円広志。「パニック障害」を発症し、治療のためにレギュラー出演する全番組を降板する騒ぎになったのは1999年。
円は78年の「夢想花」ヒット後はトークの才能を発揮、おもに関西ローカルのバラエティー番組を中心に活躍していた。レギュラーを6本も抱える忙しさだった。
しかし、45歳の時、番組生放送中に「このまま気を失って倒れるのではないか」という激しい恐怖感に襲われる。本番前に椅子に座っている時から、まるで世界がぐにゃりと歪むように感じ、本番中に立っていられなくなったという。共演者が驚く中、ついに椅子に座ってしまう。1時間の生放送が本当に長く感じられてひたすら時間が過ぎ去るのを待つ、地獄のような苦しさだった。
車の運転中にも発作は起きた。渋滞や信号で車が止まったにもかかわらず、周りの景色が流れていく感覚に襲われ、車を置いて逃げ出したい衝動にかられた。
当初は不安を酒でごまかしていた。酒を飲むと不安が解消。「日が暮れると砂漠でオアシスを見つけたときのようにガブガブ飲んだ」という。体調不良と酒浸りの日々は半年以上続き、ついに99年9月にすべてのレギュラーを降板した。