「許されたとばかり…」10年前の浮気で離婚宣言された48歳男の遅すぎる後悔

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コクハク

48歳、家の空気に耐えきれず…

 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「俺、家を出ました。だって、美幸は『離婚をする』の一点張り。子どもたちも『ママをこれ以上、苦しめないで』なんて言ってきて、もはや家族としての形が保てていません。もう、耐えられませんでした」

 10年ほど前に浮気が発覚し、大揉めした過去を持つタクヤさん。子どもがまだ小さかったため、離婚は回避できましたが、夫婦関係は完全に崩壊してしまったとタクヤさんは嘆きます。

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今は何の問題もないはずなのに

「なんかもう、ここまでくるとダメなんでしょうね…。だけど俺としては、今でもやっぱり、できれば離婚をしたくないんです。

 10年前の浮気は本当に申し訳なかったし、あの浮気がバレてからは、妻を裏切るようなことはしていません。まあ、当たり前ですよね…。

 妻から聞いているかもしれませんが、浮気をしたときに俺の見栄で数百万円の借金を作ってしまったんですよ。でも頑張って返済しました!

 だから今は家庭に問題はないはずです。それなのに離婚だなんて、ガックリですよ…」

 タクヤさん曰く、美幸さんは「芯がとても強い女性」。そのため、一度固めた離婚の意思を、簡単には覆さないだろうと覚悟はしていると肩を落とします。

どうにかして許してほしいけど

「だからこそ、どうしたら美幸が考えを変えてくれるかなって、必死で模索しています。

 表面上だけ取り繕っても通じないだろうし。だからと言って、今はもうやましいことがないから、何かを改善すればいいって話でもないじゃないですよね。

 離婚を取り消してもらうのは、マジで難しいとは思っているんですけど。どうにかして妻に許してもらいたいんですよね…」

 タクヤさんは親しい友人に相談してみましたが、「お前がおかしいよ」と当時の不貞を厳しく叱責されるばかり。打開策が出てくるどころか、縁切りを言い渡されました。

 万策尽き果てたとため息をつく、その表情には疲労が色濃く浮かんでいます。

実家で肩身の狭い日々

 家を出た後、どうしているのかと尋ねるとーー。

「家を出て実家に世話になっています…。美幸がね、ウチの親にも離婚の意思を伝えていたんですよ。だから俺の実家もピリピリしていて、なんだか肩身が狭いです。

 妻にはビジネスホテルにいると伝えています。実家にいると知ったら、俺の両親を言いくるめようとするでしょう。そうすると、ますます俺の旗色は悪くなる。

 離婚が成立したら、俺はこのまま実家で暮らすんでしょうね。それは避けたいけれど…。

 10年前の浮気のせいで、まさか今になってこんな事態になるなんて、思ってもいなかった。あの時、離婚せずに済んだから、許してもらえたとばかり…。甘かったんですね…。

 反省していますけど、もはや何をどうしたらいいのかわからない。頭がおかしくなりそうです」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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