共産党機関紙も苦言…中国で流行「反日ドラマ」のハチャメチャ
素手で投げた爆弾で日本の戦闘機を撃墜、カンフーの達人が日本兵の身体を一突きで真っ二つに──。こんな荒唐無稽な描写の「反日ドラマ」が中国国内で流行している。
中国の「国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局」は、9月から10月末にかけて「反ファシズム」を題材にしたドラマを放送するよう各テレビ局に通知を出した。中国政府は、来年を「反ファシズム戦争勝利70周年」と位置づけ、歴史問題に絡めた対日攻勢を強めている。抗日戦争勝利記念日の9月3日からメディアを通じた愛国キャンペーンを大々的に展開していくという。
「反日を題材にしたドラマは当局の審査を通りやすい実情がありますが、大半は勧善懲悪の娯楽的要素が強い内容ばかり。日本人が悪魔のように描かれていて、中高年を中心にウケていますが、現実離れした描写に若い人たちは首をかしげている。真剣に見ている人はほとんどいません」(中国人留学生)
今月14日には、中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」が反日ドラマの娯楽化にこう苦言を呈した。
「抗日戦争の犠牲者を侮辱することになり、中華民族の尊厳を自ら毀損している。若い世代が本当に歴史を認識しているのかと心配させられる」
ウケ狙いの反日ドラマでは、「13億」もの人民の目はゴマカせない。