「後悔反省は数え切れない」 いまだ現役、大川榮策の酒人生
30歳で黄疸に悩まされ、1カ月入院。ドクターストップを無視して飲み続けた演歌歌手・大川榮策さん(66)の酒人生は――。
視線を感じて、目覚めると、若い女性の2つの瞳が真っすぐこちらを見つめていました。
「ン?」
キラキラ輝く朝日の中、僕は大の字になって、横たわっている。この状況は一体、何なのか。ここはどこなのか。一瞬、目を閉じると、二日酔いでガンガンする頭に、昨夜のシーンがフラッシュバックしていきました。
九州だか四国を回る地方営業から東京に戻ってきて、いつものように池袋で飲み始めたのが、夜7時だったか、8時だったか……。コップの冷たいビールで乾杯して、口の周りについた泡を飛ばして、いつものように大瓶半ダースを空け、マネジャーらとハシゴして水割りに焼酎に日本酒とやり、知り合いのスナックで時計を見たら、深夜2時、いや3時だった。
店の女の子、カウンター隣から話しかけてくれた年上の女性? こわごわと薄目を開けて確認しても、どこの誰か見当がつかない。そんな僕と目が合うと、女性は、唇を開きました。